モノ・場所・サービス

野球道具やゴルフクラブでよく知られている株式会社ミズノの事業は、「モノ・場所・サービス」の3つで構成されている。「モノ」は言うまでもないミズノの大黒柱。スポーツツールを開発し製造するメーカー機能、全国の販売店に製品を届ける営業機能、さらに東京・大阪に店舗を持つ自社販売店の運営まで、前頁で説明したように、開発の第一段階からプレーヤーへ製品が届くまで、そのすべてにミズノが関わる仕組みが構築されている。
「場所」というのは、スポーツを行う場所のこと。フットサル施設やフィットネスクラブの経営や体育館・グラウンドの運営などで、「サービス」は、ゴルフスクールやテニススクールの運営だ。スポーツ用品を作るだけでなく、ミズノは私たちが実際に汗を流す場所の運営にまで携わっている。単にスポーツ用品を製造しているだけではなく、さまざまなスポーツビジネスのジャンルにわたって、ミズノの事業は展開されているのだ。
海外勤務のチャンスがあるかも
そうはいっても、もちろん事業の中心は「モノ」だ。創業100年以上を誇り、スポーツ用品メーカーとして国内外から高い評価を得る同社は、売上の大半をスポーツ用品の製造販売で計上し、中でも80%以上(連結決算比)を4つの部門で記録している。もっとも売上比率が高いのは、野球・ソフトボールを中心とした「ダイヤモンドスポーツ」部門(全売上中約23%)。部活やサークル、草野球でミズノのグローブを使っている人も少なくないだろう。次いで「ゴルフ」部門(同約21%)、「スポーツウェア」部門(同約20%)、「シューズ」部門(同約18%)が続く。ミズノのジャージ、ミズノのシューズというのも、私たちには馴染みが深い。これら4部門はいわばミズノを支える柱であり、日本のスポーツを支えるミズノの顔でもある。
さらに近年、注目を集めるのが海外部門だ。人口が減少している日本のマーケットにはどうしても限界がある。それに比べてヨーロッパ、アジア、アメリカには市場拡大の余地があるというわけだ。今後は海外市場の拡大もミズノをはじめとするスポーツ用品メーカーの使命になる。同社では毎年1〜2名、海外研修に派遣されているとのこと。有能な人材であれば、そのままグローバル化の根幹を担う任務を背負う可能性もある。語学に自信があって、スポーツが好きだという人には、海外でスポーツビジネスに触れるチャンスがあるかもしれない。
《 スポビズ企業最前線 》第二回 - ミズノ 株式会社 -
- (1)スポーツが好きですか?
- (2)ミズノの事業は・・・
- (3)自分で考え、自分で行動を!
- (4)3つの「F」を持っていること