実践的学修で、自立できる高度専門職業人を養成

▲充実したマシーン設備と快適な空間設計が自慢のトレーニングジム。
地域住民など、一般の人にも、利用しやすい料金で開放されている。

「こころ」「からだ」「社会」人間の3 要素を学ぶ

大後栄治教授▲大後栄治教授は陸上競技部の監督も務め、97・98年に箱根駅伝でチームを優勝に導いた。

現代社会は、教育、高齢者福祉、環境問題など多くの難問を抱えている。今まさに、難題解決に貢献し得る「人間を深く、多角的 に理解している」人材の出現が強く求められている。そうした時代の要請に応えるべく、神奈川大学では2006 年度に人間科学部を新設。同学部には人間科学科の1 学科があり、「人を育て」「人を支え」「社会に提案する」人材の育成を目指し、人間について総合的・学際的に理解する学修の場を提供している。

学ぶ内容は、いずれが欠けても人間を理解することはできない、「こころ」「からだ」「社会」という3つの 要素。4 年間を通じ、こ の3 要素を基礎から専門へと体系的に学ぶため、次の3 コースを設置し、学修を深めている。

●心理発達コース
心理、発達、教育の視点から、人間の「こころ」の発達や特性を学ぶ。心身両面から自己を再確認し、他者理解、対人能力の向上に結実させる。犯罪被害者や災害被害者、あるいは高齢者や障害者の心理、発達障害の心理など、応用的な学修にも力を入れる。
●スポーツ健康コース
スポーツ科学と健康科学の観点から、「からだ」の健康増進および身体の生涯にわたる発達を踏まえた健康維持管理について総合的に学ぶ。また、スポーツを媒介とした高度専門職業人の養成を目指し、インターンシップやゼミなどの実践的なカリキュラムを充実させている。
●人間社会コース
人間が形成する「社会」に焦点を合わせ、「社会的存在」としての「人間」の側面に着目する。多様化する人間社会についての理論を学び、調査実習を通じて実証的に探求。主体的に問題を発見し、社会に提案する実践力や企画力を養う。3コースのカリキュラムの垣根は低く、どの分野の授業も受講でき、専門分野の知識は2 年次から始まるゼミで深める。まさに“学際的”を実践する学部といえよう。

「横浜Fマリノス」などで充実のインターンシップ

スポーツビジネスに広くかかわる人材の育成を主要な課題のひとつに掲げるのが「スポーツ健康コース」。大後栄治教授に話を聞いた。

「目標は、自立できるスポーツ高度専門職業人を育てるということ。日本では、1993 年にJリーグがスタートしてから、ようやく新しいスポーツビジネスに脚光を浴び始めましたが、まだまだ未成熟。スポーツ関連の仕事に、ほかの職業で糧を得ながらボランティア的にかかわる人が多いのもよくない。このままでは優秀な人材が集まらず、スポーツビジネス市場全体の発展が遅れるという危機感があります」

大後教授は、陸上競技部の監督として箱根駅伝などのスポーツイベントに携わってきた。その活動の中で、スポーツビジネス界で働く人は、スポーツ以外の知識もきちんと習得する必要があることを痛感したという。そんな考えをもとに、大後教授らが中心となって同学部のカリキュラム編成を行った。

「体育学部などで学ぶ学生は、就職先としてインストラクターやコーチなどの指導分野を希望する人が多くいます。ところがそれはプロスポーツ選手と同じく、スポーツ産業で働く40 万人の中でいえば氷山の一角。しかし、そこを支えている実業界や自治体などは企画や運営、普及・振興を司るマネジメント人材を求めています。今後、さらにスポーツビジネスを発展させていくためには、マネジメント能力を身につけた人材の育成が急務。本コースでは、そんな能力を座学だけではなく、インターンシップやゼミを通じて実践的に修得できるようにしています」

インターンシップ先として、Jリーグの横浜Fマリノス、東レPPO テニストーナメント事務局、神奈川県立体育センターなど自治体のスポーツ行政関連のほか、電鉄会社が運営するスポーツツーリズム、各種フィットネスビジネス、出版社と、多彩な場を確保している。

「2009 年4 月には大学院も開設すべく準備中。例えば指定管理者制度を研究・活用しながら、自治体とともに地域のスポーツクラブを経営できる、高度な専門職業人を養成する方向性を考えています」

本コースから、日本のスポーツビジネスを代表するマネジメント人材が生まれることを期待したい。

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