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帝京大学経済学部教授 大坪正則

1.英語をしっかり勉強しなさい

ゼミに入りきれない学生も

 現在、大学では1年生を対象に「アメリカ型スポーツ経営」「ヨーロッパ型スポーツ経営」、2年生には「スポーツ産業構造論」、そして3年生以上にはゼミでスポーツ経営学について授業を行っています。講義の規模に関しては、1年生がもっとも受講生が多く、2年、3年とだんだん学生の数が少なくっていく逆三角形のイメージです。私は比較的厳しく授業を行うので、学生に人気はないはずなのに(笑)、ゼミに入りたくても入れない学生がいるというのですから、スポーツ経営学というのが、どれほど人気の高い科目なのかが分かります。

 今の学生は以前と違って、スポーツ経営、スポーツビジネスのことは非常によく知っていると思います。しかしその一方で、一般教養が欠けている部分も感じられます。そこで私は学生に対し、世界史・日本史・政経・英語の勉強会を行い、彼らに自ら学ぶように促しています。スポーツ経営といっても、社会常識がなければ通用しませんし、特に英語に関しては、スポーツの世界に関わっていく以上、絶対に出来なければならない学問です。

国内で働くとしても英語は必須

 あいにく帝京大学では入試で英語が必要ないものですから、他大学に比べても英語嫌いの学生が多いのが実情です。でも、出来なくちゃ仕方ない。そこで英語が苦手な学生たちに対して、私がやらせるのは、中学校3年生と高校1年生の英語の教科書を暗記させることです。「とにかく読んで、暗記しろ」と。国内のスポーツだけを考えれば、一見、「英語なんて出来なくても何とかなるだろう」と思われるかも知れませんが、たとえば国内のチームで働くにしても、監督がアメリカ人になる可能性もある。外国人選手とコミュニケーションを取らなければならないかも知れない。国際試合のカンファレンスに出席する可能性だってある。野球やサッカーといった競技にかかわらず、スポーツが国際化している現状では、日本国内で働くから英語はいらないとは言っていられない時代なのです。昨年の北京オリンピックでも、タイブレークのルールを巡って直前まで紛糾しましたが、あれも事前のルールカンファレンスで日本の担当者の英語理解力が乏しいことが原因で起きた行き違いでした。ルール改正や契約の場面では、細かなところまで理解が求められますから、高い英語理解力が必要です。国内で働くからといって、日本語だけで大丈夫ということは決してありません。

大坪正則(おおつぼ・まさのり)

1970年
西南学院大学卒業、伊藤忠商事に入社
1974年
1年間のニューヨーク長期出張
1981~85年
 
ニューヨークとデンバーに駐在。
スポーツ、音楽、美術など本場のエンターテインメントを満喫。
1986年
 
 
帰国から1年後、衛星関連事業へ異動し、
テレビ向けコンテンツの権利確保を担当。
NBAと包括的ライセンス契約を締結。
1990年
 
米国4大プロリーグとしては史上初となる、
北米大陸以外でのNBAの公式戦開幕試合を日本で開催。
1997年
伊藤忠商事を退社。
1999年
 
(株)ニッポンスポーツマネジメントを設立、代表に就任。
コンサルタント事業を展開。
2005年
帝京大学経済学部教授に就任
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大坪正則